プログラマーになるのに40歳からでも遅くはない。なぜならプログラマーというのは、決して一人で行う仕事ではなく、他者との協調を必要とする職種という側面もあるからだ。仕事の経験に裏打ちされたスケジュール感覚やコスト意識、コミュニケーション能力は、若いプログラマーには特に不足していることの多い能力である。
よって、中高年の現場における「バランス感覚」が活かされる余地が非常にあるといって良い。専門的な能力は高くても、それによって顧客とのコミュニケーションが専門用語ばかりになってしまう人たちは、交渉役には適していない。

逆に専門技術はそれほどではなくとも、相手の目線に立った打ち合わせのできる人間は広く求められている、と言える。
よってプログラミングについてはゼロから学ぶようなことがあっても、むしろそこから生じる「素人の目線」は、現状の仕事で役に立つ余地がある、ということである。

今やITの活躍フィールドは多岐にわたっている。それが意味するところは、顧客の多様化である。
すなわち、専門技術にとらわれない幅広い経験をもった人間の「ディレクション能力」が求められているということでもある。
それに加えて外国語に堪能であると、さらに重宝されるだろう。中高年ともなれば、英語だけではなく、第二外国語にも堪能な人材がいる。
多文化に理解があり、かつプログラミング能力を持った人材などは、IT業界にかぎらずどんな業界においても、垂涎の的となっていることは間違いない。